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バンビ~ノ/せきやてつじ(全15巻)

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この漫画の概要・オススメポイント

物語は、ひよっこの伴省吾(バンビもしくはバンビーノと呼ばれる。イタリア語で、ガキんちょの意)が、六本木にあるイタリア料理店トラットリア『バッカナーレ』にヘルプとして入るところから始まります。

自分は地元(福岡)のレストランではそれなりに出来てた自負があったバンビのテクも知識も、バッカナーレではまったく通じず。バンビの半端ぶりが気に入らないバッカナーレの調理場は、ことごとくバンビのことを目の敵としてきます。

心が折れそうになるも、持ち前の負けん気で立ち向かい、多くの人と出会い多くの衝突を繰り返します。 そして、次第に料理人として人として成長していくわけなのですが・・・料理マンガらしからぬ衝突の数々がメチャクチャ熱い。

その数々の衝突は、きっと何かが読み手にも届くはずだと思います。食べず嫌いせず、一度、手に取っていただきたい作品です。

どんな時に読みたい?

マンガ喫茶で半日程度のキリのよい作品を読みたい時(ただ、1部はキリが悪いので、セコンドの13巻までオススメしたいので、1日じゃ終わらないかもしれません)。 熱い漫画で、元気を出したい時。お腹が空いてる時はキツイかもしれません・・・

私的感想

とにかく根性&根性で主人公のバンビの情熱で突き進む、料理マンガです。料理マンガのはずなのですが、やたらとケンカしてます。こんなすぐにキれて殴り合うってどうなんよ?と思います。

ですが、実際の現場でも直接な殴り合いはあんまり無いものの、狭い世界ゆえの対立とか陰湿な感じも少なくなく・・・そういう意味では業界の厳しさやブラックな一面もリアルに描かれています。 給料だってバンビの給料は12万円程度。見習いである事を考えれば仕方ないかもしれませんが、出版された時期を考えたとしても厳しい額。これで月5.8万の家賃で、あちこちのレストランなんて食べ歩けないですけど。

本当に厳しい業界の『あるある』が随所に散りばめられており臨場感はあるのですが、一方で、極端な面もあります。NYまで研修にいって、マフィアとのバトル!?とか、やりすぎなところも無くはないのですが、熱血野郎のバンビならそういうのもあるか・・・と納得してしまいそうな感じで。

とにかく、料理マンガとは思えない迫力、勢いのあるバトルの数々、個性的な登場人物の叫び・・・お熱いうちに、是非めしあがってください。

若干のネタバレ

先に書いたように、料理マンガで、ファンタジーを取り入れずにここまで肉体派のバトルを描くマンガは少ないと思います。現場の先輩からの一方的な暴力とか見たくないと思う人も少なくないかもしれませんが、それで終わらすには惜しい作品。

個性的なキャラクターがバンビを通じて読み手までガツンと想いをぶつけてきます

「お前のドラマはどんなものを見せてくれるんだ?」と。

週遊漁のように止まる事のできないバンビに襲い掛かるトラブルも、これでもかとヒートアップしていき、最後にはNYでマフィアの抗争に巻き込まれるとか現実的ではない展開になってきます。でも、そういう非現実感すら飲み込む主人公バンビの熱さに巻き込まれて、一緒にハラハラしながら楽しむのが本作の楽しみ方だと思います。冷静な目で見ていても、料理は冷めてしまうだけですから。

その勢いで、ラストまで突っ走ってほしいのですが、最後はちょっと残念な終わり方かもしれません。でも、大丈夫。続編の「バンビ~ノ・セカンド(全13巻)」があるので、こちらもあわせて読んでみてください。

セコンドでは、ある程度の立場になって、自分のことばかりじゃなくて周囲まで考えなければいけない立場になったバンビの苦悩がこれでもか!と描かれています。

自分のこと以上にどうにもならない他人を動かそうと、さらに熱くなるバンビ!新しい店舗での経営が上手くいかず悩むスタッフ。多くのトラブルを必死に乗り越えていく彼らの物語を一度、味わってみませんか?