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地底旅行/倉薗紀彦(全4巻)

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この漫画の概要・オススメポイント

世界的なSFの名作、ジュール・ヴェルヌの同名の作品のコミカライズ化(ディズニーシーのセンターオフジアースのモチーフともなっています)。原作の雰囲気を大事にしたまま冒険のスリル、ワクワク感、それを濃縮した4巻で楽しめる本作。

地球の中心にあるのは果たして一体。主人公の若者アクセルらは、地球の中心の謎を解き明かし、無事に帰還することはできるのか?!

私的感想

原作が大物すぎて、これをコミカライズするのは勇気がいったと思いますが、多くの人が納得する出来になっていると思います。原作の雰囲気を大事に考えられた絵、展開、登場人物の心理描写・・・そして、漫画で表現できる良さ・・・この手のコミカライズの中では文句つけようのない作品だと思います。

物語は、鉱物学の世界的権威リーデン・ブロック教授が、アイスランド錬金術師が残した謎の古文書を手にするところからはじまります。その古文書に挟まれてた暗号のメモ。何事にも熱中すると周りを見失う教授に伝えてはいけない秘密が掛かれていることに気づいた甥のアクセル。絶対に教授に伝えてはいけないと思いつつも、謎に熱中して憔悴していく教授につい暗号の解き方を教えてしまったオクセル。その暗号には、なんとアイスランドの死火山の噴火口から、地球の中心へ辿り着ける、と。

これが150年前の作品ですからね。新選組がいたかどうかって頃ですよ。当時の最先端の科学をもとに組み立てられたストーリーですが、今となっても全く色あせずに一瞬で話の中に入りこめてしまいます。この力強さは何なんでしょうね。さすがは、多くの子供たちを虜にしてきたヴェルヌ!という感じです。

子供の頃、本作や、海底二万哩(マイル)など、いろんなSFを手にとった方も、そうでない方も、是非、子供の心に戻って、一気に4巻よみきってワクワクしてみてください。心が若返ります。オススメ!

www.kadokawa.co.jp

若干のネタバレ

古典的名作+映画、古典的名作+アミューズメントパーク、古典的名作+漫画・・・

本当に難しいことだと思います。ちょっとズレてしまったら、オリジナルのファンから袋叩きにあいますからね。ただ、本作は、上手い。まず、書き込まれた絵が、150年前の世界や、地球内部の探検を、違和感なく安心して読ませてくれます。

でも、絵が上手ければいいってもんじゃない。漫画で表す時、原作のストーリーの軸をどうやって漫画にもってくるか、そしてどういう構図で描くか、と、様々な問題が生じてくると思うのですが、違和感がまったくない。むしろ、漫画でしかできない表現・・・不安とスリルの連続を圧倒的な勢いで読ませる強さをもってる。原作に負けてない、いいコミカライズに出会えただけで、本当に胸アツ。

にしても、原作を読んだのはもう何十年も前のこと。結構、忘れてたので、原作との違いが挙げられないのですが・・・本作を読んでて感じた力強さや重厚感は数十年前の子供時代に感じたワクワク感と遜色のないものでした。

男の子であれば、未知の世界への憧れ、想像の翼はどこまでも行けたものです。それこそ、火星だろうが海の底だろうが、もちろん地底の奥深くも。

でも、地底の奥深くに進む間には、様々なトラブルが発生します。自然の力の前では人は本当に無力で・・・進むには進めたけど、もう元の世界には戻れないんじゃないか、と青年は何度も心が折れるのです。それでも、学問という悪魔に心を売り渡した教授のせいで、不本意ながら前に進むしかなかった彼が、地底の奥深くで何を見て、そして、きちんと生還できるのか・・・4巻というボリュームの中で、ジェットコースターに乗ってるかのような怒涛の展開を、是非たのしんでみてください。

1~2時間の漫画喫茶でも十分に読めます。子供の頃に原作を読んだことのある人も、そうでない人もオススメ。特に、読んだことのない人、死ぬまでこの作品を知らずに生きるなんて勿体ない。ディズニーシーのセンターオブジアースの長い行列も、この作品を知っていると、ワクワク感が3割増しになること請け合いです!