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ふれなばおちん/小田ゆうあ 全11巻

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この漫画のオススメポイント

結婚して子供の為に家族のために母は頑張ってきました。容姿なんか後回し!そんなお母さんにアプローチする男なんて?!

どんな時にオススメ

漫画喫茶で半日ぐらいでキリのよい漫画を読みたい人。癒しが欲しい人。結婚生活に疲れている人。

あらすじ&私的感想

主婦の不倫を描く作品は数多ありますが、不倫を肯定できない多くの人にもこの漫画は受け入れやすいのではないかと思います。漫画だから、フィクションだから現実離れしていても妄想してニヤニヤできるんです。だけど、本作は、フィクションなのに、好き勝手に愛欲におぼれたりなんてしない。だって、お母さんだから。

お母さんだから、見た目が綺麗じゃなくなっても、子供が大事なんです。仕事で疲れた旦那が家庭の話を聞いてくれなくなったって、家族が大事な・・・昔ながらのおかあちゃん。それが、本作の主人公ナツ。

きっかけは、些細な事。パジャマで駆け出し宿題を届けるナツ、家に帰ったら風呂上りのすっぱだかの状態で鍵をあけてくれるナツ・・・そんなことが積み重なって「もっときれいなお母さんでいてよ。それでも女?」と言い出した娘。

そんな時、ちょっとしいたいたずら心を出してしまった、ナツの旦那。会社に中途で派遣されてきたイケメン社会人劇団員「佐伯龍に、社宅への斡旋をするかわりに、「妻を誘惑してくれないか」と言ってみた。誘惑・・・は冗談でも、それがちょっとした刺激になってくれたら、妻も変わるかなァ、と、そんな些細な出来心。

佐伯の引っ越しの時に出会う二人。汚れてもいいように・・・と、娘の体操着をきて部屋を片付けるナツ。そして、朝から用意してくれてたオニギリ(シソゴマ・カリカリ梅と、揚げ玉・薬味ネギと天つゆ)。いいじゃん、この奥さん・・・って。その後、理由をつけて二人きりになっても、龍のアクションにまったく響かない(気づかない)ナツ。美味しいシャンパンも、頭の先から足のツメの先まで母であるナツには

そんな二人の距離がどんどん近づいて・・・

 

ちまたではセックスレスや主婦の不倫が騒がれていますが、逆になにもしないで、気持ちだけが研ぎ澄まされていく方が怖い。こうなったら、火遊びじゃないです。ガチです。簡単に体が繋がって、スキスキーって言ってる方がわかりやすい。

無条件に誰かを好きになる事が許されるって本当に幸せなことなんだと思います。そして、好きという気持ちを一生けんめい自制しながら揺れるナツと龍の姿に、何か胸を打たれるものがあると思います。

BSプレミアムでドラマ化。主人公のナツは長谷川京子、劇団員の龍は成田凌さんが演じたようです。。

心に残った台詞

パート先のマネージャに「おばちゃんたち静かにしろ・・・何度いえばわかるんだ おしゃべりどもめ、なにがネイルだ、いい年こいて」といわれた時のナツの回答

私たちを見たら『オバチャン』ってひとくくりにするのやめてください。名前あるし!いちパートとして、人間として扱ってください。一生けんめい働いていますから

 その他

作者若干の…ネタバレ

 結局、この手の不倫モノだと、性愛の描写があるかどうか、という事になるのですが・・・、ふれなばおちんでは、そういうのは一切なし。ですが、逆に一切ないことが濃密な二人の心理描写に繋がっていて、ドキドキ感を増してくれていますが、一方で「そんなきれいごとなんて!?」という気持ちも。

漫画はフィクションなので、その辺りをツッコむのは野暮だと思いますが、若干の違和感があることもまた確か。

それでも、一気に読ませてしまうのは作者の上手さだと思います。

 私自身、不倫を肯定する気も否定する気もないのですが、無い方が良いとは思っています。とはいえ、20代の・・・まだ、酸いも甘いも分からない頃に結婚した相手と何十年もいい関係でいることが、どれだけ難しいかは容易に想像はできます。

一生懸命、家庭を守っているお母さん、若い頃の容姿からはかけ離れてしまったとしても、せめて旦那さんぐらいは、そんな奥さんを認めてあげないと、女性は壊れちゃう。男の人はそれを忘れずに、時々は頑張ってる奥さんに「ありがとう」の言葉をかけたいものですね。