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Real Clothes/槇村さとる 全13巻

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この漫画の背景&オススメポイント

入社5年目。激戦区のデパートの布団売り場で頑張っていた天野絹江(27歳)が突然の婦人服売り場への人事異動。ファッションに重きをなしてこなかった彼女が、ファッションを通じて、働くこと、そして生きる事を問い直すことに。

世の中には、とかくモノが氾濫していて自分が「これ!」と選ぶのも難しい時代。一方で、中身がスカスカで服に着られてる人が多いのも事実。だからって、ファッションを疎かにするのはもったいない!

ホンキのもの、人が作り上げる本物を、きちんと感じて使いこなせる恰好いい大人の女の人っていいですね!

どんな時にオススメ

漫画喫茶で半日ぐらいでキリのよい漫画を読みたい人。仕事に悩むアラサー女性。将来、女性としてどういう仕事を選んだらよいか悩んでる20代前後の女性

あらすじ&私的感想

とかく、女性が働く環境が整っているとは言い難い世の中。手探りで自分の居場所を探し続けてる女性はたくさんいるけど、手探りってどうしても難しい。本作Real Clothsは漫画だから現実より都合よく話が進む。「そんなうまくいくわけないじゃん」って思うけど、それが成立するのが「漫画」。Amazonとかのレビューでも、ヒロイズムに酔った作品とか、業界の事が分からずご都合主義で埋められた作品なんて評価もあり、合わない人には合わないのだと思うのだけど、個人的には、きちんと生きようとするヒロインは嫌いじゃない。
ヒロインの挫折・苦悩。そのたびに、彼女は、自分を見つめなおす。そして、諦めない・手を抜かない。現実と違って、そういう彼女にはちゃんと手が差し伸べられる、結果がついてくる。だから、小気味いい。
現実は、そんなうまくいかないけど、きちんと生きることは大事だということを考えさせられる良作だと思います。

若干のネタバレ

 

 作者の槇村さとる先生は、昭和50年代から活躍されているベテラン。手にとるまでは、昔の漫画家さんというイメージが強くあったのですが、そんな先入観で読まないのは勿体ない作品。本作以外でも、女性の成長を描く作品が多く、もし、自分に娘がいたら、自分の将来を考える上できっといい影響を与えるであろう漫画として子供に読ませたいと思う作品。

 

最初は、「ファッションなんて興味がない」といってたヒロイン。興味が無いんじゃなくて、外見を飾ることよりも内面を大事にしたい・・・「服なんてどうでもいい表皮一枚のことじゃないか」と「オシャレなんてバカらしい。目立てばたたかれるだけ」と。それよりも、早く中身のある大人になろう、と生きてきたヒロインが徐々に洋服が好きだった自分を取り戻していくも、上司から、自分に似合う服は何かと問われ、挙句に「自分を知らないお嬢さんがただ着てみたいだけ・・・」と言われる始末。
それが紆余曲折あって(!)、どんどんファッションの魅力が分かってくる。洋服によって、その人の魅力が生かされたり殺されたり・・・
職場の嫌な上司や、ライバル会社、バイヤー、メーカーいろんな人とのかかわりの中でヒロインが成長していく図は本当に気持ちよく読める本だと思います。ただ・・・恋愛の部分も出来すぎな感じがあって、あれもこれも出来すぎだとやりすぎな印象が個人的にはあるのですが、それも含めて、漫画の楽しさかもしれません。