鉄腕ガール/高橋ツトム 全9巻
この漫画のオススメポイント
戦後、日本に何もなくなってしまった時に、野球を舞台にアメリカと戦った女性たちを描く物語。女性の力強さ、格好よさがこれでもか!と描かれてる必見の一作。
痛快にして爽快、女傑加納トメの戦う姿を是非ご覧ください。
どんな時に読みたい?
漫画喫茶で半日程度いる時に。スポーツもので熱くなりたい時。恰好いい女性の姿を見たい時に。 とにかく爆発力のある作品を読みたい時
私的感想
とにかく主人公のトメが恰好いい。「なんで、いきなり剛速球を投げれちゃうわけ?」とか、そんなつまんないツッコミはどうでもよくて、トメの芯の強さに惹きつけられたモノ勝ち!な作品。女子プロ野球が題材ですが、彼女がみせる剛速球よりも、理不尽な運命と戦う彼女の心の強さが鳥肌モノ!
美しさと凶暴さを兼ね揃えてるトメが、敗戦国の屈辱に抗い戦い続ける姿が、ホンキでアメリカまで叩き潰せるんじゃないかと思えるぐらいのパワーをみせてくれる。
掛け替えのない人との出会い、そして、理不尽な別れ・運命とも戦い続ける、麗しき女性たち。彼女たちが熱く躍動し、戦い続ける姿(ちょっと人間離れしすぎちゃってるかもだけど・・・)、一見の価値のある作品だと思います。
若干のネタバレ
戦後、すべてをなくしてしまった日本を、少しでも元気づけようと女性のプロ野球が開始されることになり、その当て馬としてキャバレー女給たちが集められた。その中に、いた一人の女性が 主人公の加納トメ。
「いっちょやってみようか、球あそび」と始めた野球。本番当日、相手のバッターにわざと打たれろという八百長を命じられたトメは、それに応じずにホンキで相手を打ち取りにかかるが、一枚上手な相手の前に屈辱を味わう。
そこから、鉄腕麗人の戦いがはじまる。練習試合で米軍海兵隊(当然、男性チーム)、GHQ司令長官ダグラス・マッカーサーとの対談、米国女子チームと戦い・・・と。
同じ条件で戦うなら日本人が米国人に負けるわけがないんですよ、という売り文句に煽られ、米国女子チームとの戦いは日本国民すべてとアメリカホテル王を巻き込んでの大賭け試合に発展することに。この試合、トメたちが勝てば、ありえない額の金をアメリカから奪い取れる・・・米国から巻き上げたカネでこの国を復活させてやる!と。でも、逆に負けたら・・・。
チームのオーナーや連盟、ヤクザ・・・多くの人の希望と憎悪を巻き込んでの一戦がはじまり、そして・・・
試合は、不条理な介入によって、トメの手から大事なものが奪われる
そして、それを取り返すために、トメはさらなる戦いを続けていくことになる。トメの生命の輝きに、是非、熱くなってほしい。