完結漫画ブログ

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サツリクルート/MITA、吉宗(全7巻)

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この漫画のオススメポイント

 

没落した元・財閥の御曹司が就職活動に悪魔にもらった特殊能力を駆使して面接官や他の就活生と戦い、内定を得られない場合は、命を失うという理不尽な就職ゲーム。どこかで聞いたような設定を、就職活動というバトルに持ち込んでみたら、不思議と惹きつけられる・・・という不思議な異色作です。

 

私的感想

いろいろ詰め込まれてます。没落した蓼丸財閥の御曹司(イケメンで頭が切れるが、一般常識はちょっと足りてない)である『蓼丸カズヤ』が主人公。可愛いかんじの悪魔『アガリ』が与えてくれる能力は、前の発言を取り消すことができる・・・という、一見あまり使えなさそうなスキル。

レベルの低い会社の面接を受け、経験を積み、上の会社を目指していく中で、同じ試験を受けた他の能力者の中で、何人かとチームになり、他の悪魔の目論見をあばきながら面接官を打ち負かし内定を勝ち取っていく・・・という痛快バトル漫画です。

小学館の作品ですが、サンデーでは無く「裏・サンデー」の作品。メジャー受けはしなくてもチャレンジしてくるのが、このあたりの連載のいいところでもあったりするのですが本作も多分に漏れず、なかなかの攻めっぷり。

最初はギャグかと思いますよ。就活+バトルですからね。そして、悪魔の実・・・もとい、悪魔から与えられたスキル。でも、この漫画、いたって真剣なんです。最初は「何それ~」って読み手に笑われても、そのまま突っ走る・・・気づいたらぐいぐいと引き込まれる、そんな作品です。そんなギャグみたいな世界設定ですが、現実の世界も就職が失敗したら人生の可能性はある程度は制限されたりしますからね(遠い目)

全7巻とちょっと冊数がある上に、文字も多いので読み切るのに3~4時間ぐらいかかるかもしれませんが、手にとって損はないと思います。

突拍子もない設定でグイグイ惹きつける本作はいかにもメディア化しやすそうなのでアニメ化やドラマ化、映画化されても驚きはないですね。

 

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www.urasunday.com

若干の…ネタバレ

 バカみたいなことを真剣にやる!就職に失敗するとガチで命を失う・・・そんな設定。無茶苦茶な感じがしますが、こういうのは漫画ならではの設定だと思います。まず、タイトルからして無いじゃないですか?「殺戮ルート?」それとも「殺リクルート?」。おそらく、その両方をかけたのでしょうが、なんともいえないギャグ臭というか勢いでスタートした感じが拭えませんが、結果オーライな作品でした。

 導入部分は、世界設定や主人公カズヤの変人ぶりなどをサラリと描き、悪魔との契約までの流れ・・・そして、ランキング下位の会社の面接から次第に上位の会社の面接となる間に出来た仲間たち。次第にみえてくる悪魔たちの影に、彼らの目的。悪魔の目的を防ぐために、いや自分の目的を達成するためにカズヤは面接を切り抜けていきます。

彼らに与えられた悪魔の能力は、どこかしら使い勝手が絶妙で、その能力を上手く活用して繰り広げられる心理戦は、かなり見ごたえがあります。ただ、個人的には最終戦のポーカーは、ちょっと出来すぎだよなぁ、って感じでした。ですが、まぁこれも人間の強さというか、全知全能ではない人間だからこその選択なのかな、と思って良しとするかなぁ・・・

変な設定のわりに、展開はオーソドックスです。だから逆に安心ともいえるんですけどね。終盤、幹部クラスの悪魔との闘いは結果だけ・・・という駆け足な部分はあるものの、満足感の高い作品だったと思います。

就職に失敗すると『死』というぶっ飛んだ他にない設定をぜひ楽しんでください!