完結漫画ブログ

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君に届け/椎名軽穂(全30巻)

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この漫画の概要・オススメポイント

12年の連載を経てようやく完結。地味で目立たない・・・どちらかといえば呪ってきそうなヒロイン貞子(本名は爽子)が、いつも元気な風早くんに憧れて、勇気を出して少しずつ変わっていくお話。もうね、風早くんの爽やかオーラが凄くて眩しくて、その反面、貞子の影が凄くて・・・。でも、風早くんだって爽やかな一面だけじゃなくて、そういう学生時代のキャーキャーする感じがたまらない。

そして、まわりに登場する友達コンビ(矢野ちん、吉田さん)もいい味だしとるー!!現実的にはさ、こんなキラキラした高校時代なんてホント一部の人しか知らないものかもしれないけど、いいなぁ・・・って思える作品

根暗キャラの貞子が、どんどん輝いていくのも・・・まぁ、貞子が存在感が暗くても実は可愛い子だからだったりするわけで・・・映画でも多部未華子でしょ。そりゃーねぇ・・・と思わなくもないけど、素直に読んでキュンキュンするのがいい作品。

ただ・・・現実には、風早くんみたいなヤツはいないから!

どんな時に読みたい?

漫画喫茶で1日以上いる時に(文字数の多い全30巻は1日だと厳しいかも?)。
じっくりと漫画に向き合いたい時。
とにかくキュンキュンしたくなった時。
がんばることに疲れちゃってる人。

私的感想

世の中には、多部未華子三浦春馬も、そんなあちこちにいない。そんなの分かってる。けど、中身はそんな変わらない。名前を憶えていてくれた・・・ってだけで、景色が鮮やかになってく瞬間。出席簿をかかされて、好きな子の名前だけは丁寧に書くとかさ、そんな感じ。

と、まぁ、全体的に女の子の憧れる世界観だと思うのですが、男性でも十分たのしめる作品だと思います。

何がグッとくるって、貞子の健気さ。顔が強張ってるのは怒ってるからじゃなくて緊張してるから。そんな貞子を分かってくれる人が少しずつ増えてくると、ホント嬉しくてね・・・。友達の矢部ちんや吉田さんじゃないけど、ギューって抱きしめたくなる可愛さなのです。

高校3年間の彼女たちの心の動きを丁寧に重ね(その分、30巻という分量がありますが)、彼女たちの一瞬一瞬を素直に受け取れる人には、彼女たちのたどり着いた道を素直に喜べるかと思います。

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心に残った台詞         

貞子が友達の悪口をいってるという噂になった時の風早の言葉

俺は自分で見たものを信じるよ

若干のネタバレ

女性目線だとまた違うのかもしれませんが、全体的に頭ン中が恋愛100%ってわけでもなく、むしろ、貞子が少しずつ自分の壁をこわしてクラスメートと打ち解けようとする場面が多いです。クスッと笑えるエピソードも多く、「少女マンガなんて恋愛のことばっかだろ?」と思ってる男性には比較的入りやすい漫画だと思います

基本的に、相思相愛の二人なので、あとは、いろいろな誤解やすれ違いが物語を彩るしかない。特に、最初の貞子は人に慣れてなく言葉足らずで・・・不要なトラブルを招いてしまう。でも、彼女のかわらない誠意で、人との絆を強めていき・・・。

正直、いつ終わるの?相思相愛じゃん、て思っていたところもありました。高校の3年間を省かずに描くというのは、ともすれば中だるみしてしまいかねません(そう思う事も少なからずありました)。どこで決着つけるんだろう・・・と。

でも、ちゃんと無事に区切りをつけてくれました。今まで、いつも一緒にいれた大切な友達と離れて、新しい世界に向かってく彼女たち。そこには、期待も不安もあるけど、高校3年間で築き上げてきた経験や思い出、大切な仲間たちがいるから頑張れる。頑張れるから、もし倒れてもちゃんと立ち直れるチカラを手に入れられる。

自分の受験期・・・そんなに頑張れたっけかなぁ。
こんなに頑張って、大事にしたいものがたくさんあるような生き方って眩しいなぁ、ホント。