完結漫画ブログ

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黒子のバスケ/藤巻 忠俊 (全30巻)

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この漫画の概要・オススメポイント

神大我が入学先の誠凛高校バスケ部で出会ったのは、黒子テツヤという超地味な少年。存在感も無さ過ぎる黒子に幻滅する火神だったが、実は彼は「キセキの世代」と言われた伝説の最強チームのメンバーで...!?(公式サイトより)

主人公黒子テツヤの地味さ加減がドツボなスポーツ漫画。主人公が目立たないけど、ジャンプ漫画の王道の漫画だと思いますが、非常に賛否両論が激しい作品になってます(脅迫事件とかありましたし・・・ね)。

テンポも良く分かりやすく、いかにも週刊少年ジャンプな本作、過去最高の草食主人公の活躍にニンマリしてください!

どんな時に読みたい?

漫画喫茶で半日以上いる時に。ある程度、じっくりと漫画に向き合いたい・・・けど、気張らずに読みたい、そんな時に(30巻はそこそこの量ありますが、『読み応え』を期待すると難しいかなぁ)。努力・根性・友情に触れたい時(笑)。

注意1:作者がコート全体の構図を描くスキルが無いとか、ス〇ムダンクと比較して残念すぎる、とか、読者を納得させるだけのバスケの理解が伝わってこないとか批判も多い本作。スラム〇ンクが好きすぎる人には向いてないかもしれません

注意2:現実的にはありえない必殺技がバンバンでますので、リアルなスポーツ漫画を求める方には不向きだと思います。また、厨二要素が目立つので、その辺りにドハマリする世代や、反発を覚える世代は避けておいた方が無難かも・・・

私的感想

アニメ化もされた大人気マンガですので、私がとやかく言う話でもないのですが、本当に賛否両論が多々あり否定的な意見も多いです。個人的には、気楽に読んでいい漫画かと思います

とにかく主人公の黒子テツヤと、火神大我の「静」と「動」の掛け合いと、他のキセキの世代のメンバーとの対決が、いかにも安心なジャンプテイスト。黒子テツヤの「目立たない」というネガティブポイントを逆に「視線誘導」という武器(他のキセキの世代に比べて圧倒的に地味なスキル!)に変えて戦う・・・という、一昔前のスーパーヒーロー的な主人公漫画やガチスポーツ漫画とはちょっと違う方向から切り込んでいます。

ところが、その「視線誘導」も万能では無く・・・超ウルトラスーパー必殺技を使う他の「キセキの世代」との闘いで苦戦する黒子たちが、友情と努力と根性で(笑)相手を倒していく王道のストーリーは安心の展開かと!

主人公は派手ではないけど、なにか残る作品だと思います

若干のネタバレ

この本を紹介するにあたり、再度読み直してみた。あちこちの批判にあるように、初期の絵は確かに残念な感じだった。最初の5~6巻よむ前に諦める人も少なくないかも。

ネットの感想をみてると、賛否両論がすごい。極端な支持者の妄信的な崇拝に対し「バスケのことも漫画のことも何も分かってないくせに・・・」という反発も分からないでもないし、バスケ漫画として読むと苛立つ人が多いのも分かる(手から離れたボールにさらに手をだして加速させるのはルール上は反則だよね?とか)。
ただ・・・、両極端な感想が多いのが勿体ない感じがしましたね。

また、「黒子のバスケ脅迫事件」というものがあったりして、当時のにちゃんねるでも相当に叩かれていた作品であったということだが、そういう意味では『合わない人には合わない作品』なのかもしれません。だとしても、わざわざネット上で批難合戦を繰り広げなくてもいいのに・・・と思うのですが、それだけ本作が注目を浴びたということかもしれません。

作品については、先に書いたように、とにかくあり得ない感じの必殺技が出てきますが、巨人の星の「大リーグボール」から脈々と続くウルトラスポーツに噛みつくのもナンセンスでしょう。試合の展開が早すぎる事も指摘されていますが、逆に何か月も同じ試合をする漫画は疲れちゃったりするので、個人的にはあまり気になりませんでした(バスケシーンは、オマケだと思って読んでました)

・・・と、いろいろありますが、若者特有の青臭さというか厨二感というか、そのあたりの描写はうまいな、と思います(キャラの書き分けが上手くないので見分けがつかないという批判も多いですけど)。使い捨てされるキャラもいたり、結果からみれば不要だったキャラもいるかもしれませんが、全てが重要キャラになるのもまた違うと思いますし、これはこれで良かったんじゃないかな、と。キセキの世代の微妙な人間関係も、漫画としてはありかと(こんな人間関係を現実で体験するとなると気持ちが悪いことこの上ないけど)。バラバラでも勝てるからいい、そこにもはやチームとしての意義がなくなってしまった中学時代のキセキの世代が、バラバラの高校で敵として相見え、人とのかかわりを見つめなおす点に主題をおいて読むのが良いと思います(まぁ、読み方なんて人それぞれですけど)

気楽に読んで、読了後も悪い感じもしない良い作品だったと思います。